勾践の館~寧波滞在記~ -6ページ目

洗濯機

洗濯場 中国の方々はどうも洗濯機が嫌いなようだ。

「洗濯機は汚れが落ちない!」という先入観があるらしい。

う~ん、でも最近の洗濯機も性能が上がってきて、

よく落ちるようになってきたと思うがなぁ・・・。

ちなみに、中国の大学生たちは、機械を使わないで手で洗っている。

ヤッパリ日本の大学生は贅沢だよ~。

中国の博物館・・・

今日は本当は学生と一緒に「五龍潭」というところに行く予定でした。
5つの滝があるきれいな風景区です。
しかし、天気予報では雨だったので、私は行かないことにしました。
ごめんなさい、1年生の皆さん!
昨日の疲れもあるので、いっぱいいっぱいです。
今度一緒にご飯でも食べましょう!

あの「五龍潭」には実は過去3回ほど行っているが、行く度に雨である。
よほど「五龍潭」に嫌われていると見える。


昨日の余姚旅行の報告の続きをさせていただこう。
イチゴ狩りに行った後、河姆渡遺跡に行った。
河姆渡遺跡は7000年の歴史を誇る遺跡で、
炭化した米や麦、土器、住居跡や井戸跡が発掘されたところである。
中は中国の博物館にしては珍しく整備されており、
入場券も20元と手ごろである(西安に行ったときの半坡遺跡はひどかった。後で話す機会があれば報告します)。

遺跡は出土品を展示している本館と、
外に河姆渡人の生活を再現したものと2箇所に分かれている。
ここには以前2回ほど来たことがある。
今回はじっくり見ることはなかったが、
今まで入ったことがないところに入った。

・・・今までここに対しては結構いいイメージがあったが、
今回来たことでそれが180度覆った。それが上の写真だ。

・・・う~ん、出土品だけで、そんな情愛まで再現できるのかねぇ・・・。
てか、今も昔も同じだろうに・・・。
市場ではポルノなんか結構規制している中国だが、
なにも博物館にそんなものを持ち出す必要ないだろうに。
客寄せの一環ですか??

まぁ、なんだかんだで最後にしっかり落ちがついた旅行でした。

陽明中学訪問

今日は寧波市から西にバスで1時間30分くらいのところにある
余姚というところに行ってきた。
余姚は王陽明、朱舜水など名人を数多く輩出したところである。
今回は我々寧波大学の外籍教師・留学生たちが余姚市にある
陽明中学」から招待され、様々な交流活動を行った。

10時頃に中学校に到着。先生方と軽い話をした後、
我々は各教室に散らばり、学生たちと交流した。
わたしはインド人留学生と一緒に2年生の教室に入った。

今回中学校側の目的は、中学生に外国人と交流させることで、
彼らに生きた英語を話させるということが狙いだったようだ。
ということで、英語が得意でないわたしは隅に座って、
英語を話しているインド人の話を聞いていた。

中国の中学生の英語の会話力は素晴らしい。
インド人の話す英語(かなり速いスピード)をすべては分からないまでも、
大体聞き取っているようだし、何よりも話せる。
非常に流暢に、発音も(多分)正確に話している。
日本の中学生ならここまで話せないだろう。
日本ももう少し「話せる」英語を育む必要があるのではないかと思う。

また、中国の学生は表現力がある。前に出て何か表現するという力がある。
例えば、歌、ダンス、楽器など。
確かに日本でも人の前で学生に何かさせるというようなことは多いが、
学生に「させる」であって、学生が「する」ではない。
いやいやという感じだし、恥ずかしがってなかなかうまくできない。
一方、中国の学生は、積極的にやりたいやりたいというように、
自分を堂々と表現している。

中学校国語科の目標に「伝え合う力」が盛り込まれているが、
中国の学生のように堂々と表現する力は
まだまだ日本の中学生には足りない点だろう。
音楽だけに限らず、発表、プレゼンなど、
そのような機会をたくさん学生に与える必要があるように思う。

学生との交流の後は、イチゴ狩りだ。
ビニルハウスまで行って、各々自由にイチゴを採った。
ただ、中国の野菜や果物は農薬の心配があるので、
そのまま洗わないで口に入れるのは怖かった。
外事弁の主任は「冬は虫がいないから、農薬は使ってないよ」とか
言っていましたけど・・・、う~ん、どうなんでしょう・・・。
でも、初めて生っているイチゴを見たのは感激です。

・・・う~ん、長くなりましたねぇ、続きは明日。

同僚との飲み

ここ寧波には日本料理店が多い。
今日は同僚の先生方数名と日本式焼肉を食いに行った。

大体日本の焼肉屋と同じである。
店内は少し狭いが、テーブルの真ん中に焼肉を焼く台がある。
そして、その台の中に墨を入れて肉や野菜を焼くのだ。

肉は牛肉で、中国産(上海の物だと言っていた)である。
中国の牛肉は日本産やアメリカ産のに比べておいしくない。
でも、ここの牛肉は今まで食べた中国産のと違って、やわらかくておいしい。
どうやって処理したものだろうか・・・?

まあ、細かいことはどうでもいい。うまけりゃいいんだうまけりゃ。

値段は飲み放題食べ放題時間無制限で118元。
1元=13円とすれば、1500円くらいか。中国では高いかもしれません。
でも、日本料理だからねぇ。

給料の少ない外籍教師の数少ない楽しみです。

魚釣り

中国人は魚釣りが好きだ。
いたるところの池・川で魚釣りをしている人を見かける。

今日家に帰る途中、家の前のどぶ川(本当にあれはどぶだ!)
釣りをしている人を見かけた。

「こんなところで釣れるんかいな?」と思いきや、
なんとあたりが来ているではないか!

太公望が釣り上げたその一匹はわたしの腕一本ぐらいの大きさ
でかい。こんなどぶ川にそんな大物がいるとは・・・

太公望はそれを家に持って帰ったようだが、
わたしは金をもらってもその魚を食べる気はない。絶対腹を壊す

ここの天気・・・

今日は大雨だ。雷も鳴り響いた。

ここの天気は想像ができない。昨日最高気温が20度超えたかと思うと、
次の日は雪が降る(!)。そしてまた次の日は20度を超える。

こんな天気が続くので、体がついていかない。
晴れの陽気に慣れたかと思うと、いきなり寒くなる。
最近体調を崩し気味だ。頭が痛い。

まぁ、それでも今日は学生とテニスを楽しんだ。
雨降ってる中(打ってるときはそんなに強くなかった)、
一生懸命ボールを追いかけた。

嫌な天気もスポーツに熱中すれば気にならないものだ。

三連休

日本では三連休だ。
中国は祝日が日本のように散らばっておらず、ゴールデンウィークと国慶節、春節のように1週間単位ぐらいで固まっている。

一般の中国の方々は今日は休みではないが、
わたしは日本と同じ三連休、今日も朝寝坊させてもらった。

わたしの時間割はこうである。
土・日・月は休み、それ以外の日は午前で上がりである。

先学期はもっとひどかった。3日働いて4日休むという生活をしていた。

さすがにここまで休むと、人間の生活が腐ってくる。
起きて、ご飯を食べて、インターネットして、寝る・・・(繰り返し)。
生活が単調になり、それによって思考力も単調化・低下していく。
だから、生活が腐りきらないように、何か活動したいとは思うのだが、
水は低きに流れる、人は楽な方に流れる・・・

ううむ、早くこのような仙人みたいな生活を脱しないと、
日本に帰ってからリハビリが大変だ・・・

作文能力

書こうと思うことがなかなかうまく書けない。
こんなことを書こうかなと頭にはあるんだけれども、
それがうまく言葉に表現できない。

こっちに来てから、
文章を書いたり読んだりする機会がぐんと減ってしまった。

このようにブログを書くのは、自分の一日を振り返る意味でも、
また、単純に自分の作文能力向上の意味もある。

今は書き初めだからだめだ。
もっと努力を要する・・・。

日本から帰ってきたY

1年前に日本へ留学したYが故郷に帰ってきた。

彼はわたしの学生である。半年ほどわたしの会話の授業を受けた。
その後、埼玉県のある大学に留学した。
今回は別の大学の入試に合格したので、
その報告・準備のために帰ってきたのだ。

去年、わたしは一時帰国したときに彼と会った。
その時の彼は以前とはまるで違っていた。
やせこけて、目の下にはクマが出ていて、見るからに疲れている感じだった。

日本に行く中国からの留学生は生活が非常に大変だという。
事実、彼と会った時は「人間じゃない生活」と言っていた。
だから、今回どんな様子で帰ってくるか、少し不安があった。
日本で会った時より痩せて、弱弱しくなってはしないか・・・

市内のスターバックスの前で待ち合わせした。

予想に反して彼は元気で、かえってわたしの方が
「痩せたね、中国での生活が嫌いか??」と言われたくらいだ。
彼は新しい4月からの生活に目を輝かせていた。
今まで特にバイトや人間関係で苦しんでいたY。
その時は非常に悩んでいたようで、会ったときは抱きついてきた。
しかし、今はそれはいい経験だったと、新しい大学への入学を機に
心を一転させていたようだった。

中国の学生は日本の学生より夢や希望が大きい。
彼もそんな学生の1人だ。彼の祖母は大きな工場を持っている。
わたしはある日、「将来は工場を継ぐことができるね、未来の社長だね」と
言ったことがある。しかし彼は、
「工場を継ぐより自分で会社を作った方がいい」と言った。

先日、日本・中国・アメリカの高校生の意識調査が発表された。
それを見ると、中国の学生は日本の学生より、
将来に希望を持っているようだ。
日本の学生には「だめだろう」と将来を絶望視している人もいる。

わたしの学生のときと比べても、ここの学生は夢を持ち、
自信を持って勉学に励んでいるような感じがする。

そんな彼らを見ると、わたしも負けられないと思うし、
それと同時に今日本の生徒たちに必要なのは、
まず将来に希望を持たせて勉強させることじゃないかと思うのである。

日本の教科書

今日の授業は「日本概況」という授業。
まぁ、簡単にいえば、社会科の授業である。
日本の地理、政治、公民などを学生が学ぶ。

このような授業は、日本人教師としては非常にやりにくい。
どうしても日本側の立場で説明せざるをえないからだ。
わたしは義務教育から大学までで学んだことしか教えることができない。
これは中国の大学側の要求するものとかなり隔たりがあるかもしれない。
まぁ、それでも引き受けたからにはしっかり準備して授業に臨む。

今日の内容は日本の森林資源と水産資源。
日本の森林面積がどのくらいあって、どのように分布しているかを説明するために、
日本の中学校で使われている地理の教科書を持っていって回して見せた。

休み時間に1人の学生がわたしにその教科書のあるページを指して、
「先生、この写真はいつとったものですか?」と尋ねてきた。

それは天安門広場(あの毛沢東の肖像画が飾ってある広場)の写真だった。
わたしは何気なく、
「この教科書は最近できたものなので、最近だと思うよ。」と答えたが、
彼女は、「この写真は十数年以上前にとったものに違いないです」と言ってきた。

よく注意してみると、その写真に映っている人々は人民服を着ているではないか。

いったいどういう意図で、このような写真が載せられたのだろう。
いや、ひょっとしたら編集側が何も意図せず、
このような写真を載せたのかもしれない。

このような写真を見て学ぶ日本の中学生は中国に対してどう思うだろうか。
中国では服までも統制され、何の自由もないところだと思うだろう。
服装・髪形などを見て、鄙びた遅れた国だと思うだろう・・・。

現在中国では、一部の都市という限定はあるが、急速に発展している。
一部の老人は人民服を着ているかもしれないが、
現在、中国でこれを着ている人はまずいない
周りの中国人を見ると、ほとんどがスーツか私服で、日本とほとんど変わりがない。少なくとも現在はこの写真のような状態ではない。

わたしは、日本語教師として、中国の人に日本のことを
できるだけ正確に知って欲しいと思っている。
同じように、中国の人たちも中国のことを正確に知って欲しいはずだ。

海外旅行が容易になったり、情報メディアが発達してきたとはいえ、
相手の国を視覚的に理解するという点で、
教科書の写真などは特に重要な位置にあると思う。
また、教育という現場は他国を理解する最も重要な機会である。
このような教材では中学生に正しい情報を伝えることができない。

国際理解が叫ばれて久しい。
お互いの国ををできるだけ正確に理解しようと考えることが、
国際理解の第一歩であろう。
学生からのこの一言で、日本がまだまだ上辺だけで国際理解を
叫んでいる
のかもと知れないと、考えさせられた一日だった。